松林寺 大邱・八公山(パルコンサン)にある名刹

2016年3月22日火曜日

咸安(ハマン)踏査会

2016年3月20日(日)

嶺南仏教文化研究院主催の日帰りバス・ツアー。昨年何度も参加した踏査会、今年初めての旅は、慶尚南道の咸安함안 である。



南に行くので春らしい気配が感じられるかと期待したが、この日は一日曇り空で、桜や梅、レンギョウなどもあまり見られなかった。寒くはなく、最後には山登りで大汗を流すことになった。
まず、新羅時代の주리사지 사자석탑 (主吏寺地 獅子石塔)を見る。4頭の獅子で支えられている形はめずらしい。


この一帯は伽耶(かや)であり、紀元前から群小部族国家が興亡を繰り返し、弁韓、辰韓、加羅、任那、金官、など様々な名前で呼ばれた地域である。6世紀末に新羅が統一するまで伽耶は存続した。古代から、この地域は日本との交流が盛んであり、共通の土器や墓も数多く発掘されている。
この博物館のある場所も咸安郡伽耶邑であり、伽耶の名は至る所に残っている。


咸安道項里・末山里古墳群。阿耶伽耶(アヤカヤ)の王たちの墓と考えられる古墳が100余基分布している。


「お墓に登っていいの?」とためらう人もいたが、慶州とは違い、ここは問題ないらしい。


懐かしいポップコーン機械。何と言ったかしら?



市場を歩く。昔ながらの風景だ。海が近いので海産物も多い。咸安はスイカが有名だとか。


昼食は辛い汁に固い牛肉ともやしが入っているだけのもの。昼時で食堂は賑わっていたが、かなり田舎料理である。



院長の金在元先生の説明を聞く。中高年の会員が多く、子供連れも二組ほど。これは大山里石仏で、高麗時代のものだという。


この日のハイライトは防禦山磨崖仏三尊像(방어산 마매불 삼존상)の見学のための山登りであった。少し登れば見られると思ったら大違いで片道30分以上、いやもっとだろうか、突然急な階段を、休み休み、必死で登らなければならない。ツアーの半数くらいの人は途中で脱落した様子だった。



これは登る前の入口付近。


よく見ると、三尊仏まで470メートルと書いてある(泣)。




ようやく辿り着いた磨崖仏。新羅・哀荘王(エジャンワン)2年(801)に造られた磨崖薬師如来像と両脇の日光菩薩、月光菩薩だそうだが、気息奄々、苦しんで登ってきた割には、有難味があまり感じられない平板なものであった。

この後は、朝鮮中期の書院・古家を訪ねたものの、事前連絡なしに行ったので門に鍵がかかっていて入れなかったり、長春寺という寺を探しても見つからなかったので、代わりに崖の古層に鳥の足跡が化石になっている名所を覗いたりと、韓国らしい、少々いい加減な観光があって大邱に戻った。
観光バスにGPSがついているのはまだ見たことがない。運転手が道を間違えるのもたびたびだが、皆そのへんは気にしないというか、おおらかというか、こんなもんだと思っているのか。

とはいえ、色々お土産をもらったり、なぜか表彰(?)されたり、スピーチさせられたりと、一人の外国人の参加にも皆さん親切である。知人も増えてきて、また機会があれば踏査会に参加したいものだと思っている。

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