松林寺 大邱・八公山(パルコンサン)にある名刹

2015年9月27日日曜日

群山踏査会(1)


2015年9月20日(日) 全羅北道群山(クンサン)へ。これは1908年に建てられた群山税関。


「嶺南仏教文化研究院」が月に一度行う「踏査会」(歴史ツアー)に参加した。
大邱からバスで片道3時間、錦江(クムガン)の河口にある群山は人口26万、高層ビルはあまり見かけず、昔の韓国の町並みが比較的残っている。
大邱よりはどこかのんびりとした風情があり、映画「八月のクリスマス」は(昔のソウルの街という設定で)この町で撮影された。「八月のクリスマス」は好きな映画で、引退したシム・ウナの代表作のひとつだ。


ハン・ソッキュの写真館など、撮影ゆかりの建物がガイドブックには載っていたが、この日は歴史ツアーなので立ち寄れず。
湖南平野の穀倉地帯からの米の積出港として栄えた群山には戦前1万人の日本人が住んでいたという。古くは白村江の戦いに始まり、この地域の歴史は日本と縁が深い。



韓国でこのように広大な田圃が続く風景は初めて見た。



京岩洞(キョンアムドン)レール村。製紙工場への2・5キロの鉄道跡に家が立ち並び、鉄道ファンも必ず訪れる名所らしい。


昼食は麦飯野菜ビビンバ。ドンドン酒も旨し。全羅道の食べ物はやはり美味しい。ちりめんじゃこまでビビンバに入れたのは初めてだ。大邱では飯饌(パンチャン)にちりめんじゃこは高いから出ません。港町ならでは也。





月明洞(ウォルミョンドン)の近代歴史家屋。日本人の残した敵産家屋(チョクサンカオク)を観光用にリモデリングして食堂、カフェ、旅館、土産物屋などにしたもの。
どれも均一なデザインで新築した日本式家屋ばかりで、浦項の九龍浦近代文化歴史通りのような風情には欠ける。
駆け足のツアーなので、一番有名な旧広津家を見学できなかったのが心残り。


東國寺(トングクサ)。1909年に曹洞宗「錦江寺」として建てられた。韓国に唯一残る日本式寺院建築。1947年から「東國寺」。


「曹洞宗」が削り取られている。


「昭和」が削り取られている。




これは日本式の梵鐘なので、様式を解説する金在元先生。


http://tousikai.web.fc2.com/images/sannjyamonhibun.pdf

曹洞宗の懺謝文が日本語と韓国語で刻まれている。この碑の前には慰安婦少女像。




寺の中には、かつての抗日僧侶と親日僧侶の写真と名前が展示されている。永遠に親日と呼ばれ悪役に名指しされた僧たちが不憫。



小ぶりな質感の優しい建物には好感が持てたが、形通りの贖罪史観と収奪史観が展示されていて、少々げんなり。金先生もツアー一行も淡々としていて、その辺は気が楽也。

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