松林寺 大邱・八公山(パルコンサン)にある名刹

2011年7月24日日曜日

2011年7月24日(日)

昨夜はトニー氏と乙支路3街の「良味屋」へ。ミノ(牛の胃袋)とテチャン(大腸)が美味で有名な店だという。6番出口を出たらすぐの、通りに面した大きな店。トニー氏と再会を祝って乾杯。トニー氏は翻訳エージェントで、主に日本の新刊小説を韓国の出版社に橋渡ししている。好きな作家は重松清と石田衣良だという。韓国では東野圭吾、奥田英朗をはじめとして、日本の人気作家の新刊はすぐに翻訳され、大きなマーケットとなっている。
「良味屋」のミノやテチャンは、黒砂糖とパイナップルが入ったヤンニョムに漬け込んであるという。ミノはひと切れの大きさに驚く。テチャンもチューブのままである。アジュンマが、炭火の火加減や調節、網の取り替えをこまめにしてくれて、ハサミで食べやすく切り分け、食べ加減のときに「はい、どうぞ」と言ってくれる。柔らかく甘い。痛風となってからほとんど食べる機会がなかったコプチャンだが、たまに食べると嬉しい。独特の食感の喜びにひたる。

今日のソウルは雨。里門ソルロンタンで朝食にしようとタクシーでワン・メーター、鐘路タワー前で降りたが、引っ越していて、そのうえ日曜は休みとわかる。
午後1時のKTXで大邱へ。東大邱駅ではCFさんとCCさんが迎えてくれた。7度目の大邱訪問だが、思ったほど暑くはない。ユニオン・ホテルでおしゃべりするが、父親の年齢とほぼ同年のCFさん、CCさん、LWさんと知り合って約4年、健康面の問題が生じてきた。CCさんは先月初期の胃癌をソウルのサムソン病院で切ったばかり。LWさんは敗血症で入退院を繰り返しているという。
80歳を過ぎれば、何かしら、死に向かっての兆候が現れてくるものだ。
CFさんとCCさんとのおしゃべりで、生きているうちに、金正日が死んで北朝鮮がどうなるかを見届けたいと思っていたが、それが見られる前に自分の寿命が尽きるのではないか、という話や、来年12月に大統領選挙があり、朴槿恵(パク・クネ)が韓国初の女性大統領になれるや否やという話が出た。
ハンナラ党の中では彼女の人気は圧倒的で、保守的な慶尚道では野党の民主党に政権を返すことなど考えられないが、朴槿恵大統領には実は不安があるという。母親の陸英修が文世光に撃たれて亡くなり、フランスから帰国して父・朴正熙大統領を支えるファースト・レディを務めて以来、政治の渦中に生きてきたから、政界遊泳術、権力の仕組みには精通している。結婚もしなければ、子供もいない。しかし彼女が何を考えているのか、さっぱりわからない。北朝鮮に対して、はっきりとした発言を聞いたことがない。金正日と会って、文世光事件を謝罪されたというが、会談の中身は未だに詳細が明らかになっていない。今、下手なことを言って人気が落ちるよりは、来年まで待てば、大統領の椅子が自然にやって来る。(韓国の大統領は5年、1期限りなので、李明博の再選はない)しかし彼女は韓国をどのようにリーダーとして引っ張っていこうとしているのか、その中身は空虚なのではないか。フィリッピンのアキノ大統領のように側近のいいなりになって、大した仕事はできないのではないか、という心配があるのだそうだ。
日曜なので適当な店が見つからず、夕食はCCさんとNOVOTELのレストランでビュッフェを食べる。市内では最高級のホテル。ビュッフェ料理は小生食べ慣れていて点が辛くなりがちだが、さすがにここの料理はまずまず。ハウスワインも美味。CCさんは胃を切ったばかりで、あまり食べられないのに、つきあっていただき、しかもご馳走になってしまい、申し訳なし。(8万ウォンくらい)明日から、ソウルの息子たちの所へ行って、病院で再検査を受けるというCCさんと別れてユニオン・ホテルへ歩いて戻る。途中、大邱駅前の暗い一画を通るのだが、ハルモニが「おいでおいで」をする。この辺り、昔は青線地帯だったのだが、一体まだこんなわびしい所に通う男がいるのだろうか? 声をかけられるたびに不思議に思うことだ。

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