松林寺 大邱・八公山(パルコンサン)にある名刹

2016年5月5日木曜日

授業あれこれ(1)

月曜日・水曜日   송휘영 /관광농업론  宋彙榮「観光農業論」

大学東門前にあるシンデリのわが風景荘から徒歩30分、キャンパスを横断して自然資源学部の教室で週に2コマ、学部の授業を聴講。宋先生は昔からの知り合いで、大学院入学の折も色々助けてもらった。「グリーンツアー」と呼ばれる、都市と農漁村の人的・経済的な交流の話。農村留学、体験農園、民泊、地産地消、等々、日本と韓国の実例を中心に講義する。学生は50名くらいで、食品自然経済学科の学生が多い。
自然資源学部というのは昔の農学部である。昔は牧場があって牛を飼ったりしていたらしいが、名称が変わり対象分野が広がり、「食品自然経済学」なんて言われてもどんな学問なのかがすぐにはわからない。授業のあとは池のそばで一服する宋先生と雑談し、車に乗せてもらって中央図書館まで戻るのがいつものパターン。宋先生は京大で資源経済学の学位を取り、十数年日本に留学したので日本語に不自由はない。所属が独島研究所なので、竹島をめぐる日韓の理論闘争の最前線にいる人でもある。



月曜日・木曜日   권대웅/한국현대사  權大雄「韓国現代史」

学部の補充授業。權先生は嶺南大歴史学科に学び、韓国学科の隣にある民族文化研究所に最近まで所属していたらしいが、今は講師として出講している。大邱近郊の出身だが、訛りはあまり感じられず、聞き取りはそう難しくはない。政治的立場はよくわからないが、解放・光復から60年代くらいまでの激動の時代をきめ細かく話してくれる。数週間に一度、講義のレジュメを大学ポータルサイトの中の「講義支援」にアップするので、それを予習していけば、大体の話は理解できる。ただ左右の政党や団体、運動が複雑に交錯する時代なので、何となく理解できても覚えるのは大変だ。登場する膨大な人物の横顔なども毎回説明してくれるのだが、小生には残念ながら消化貯蔵できるほどの基礎体力がない。
中間試験に出た問題の一つは「光復節・建国節の違いを批判的に述べよ」。1945年8月15日は「光復節」という韓国の記念日なのだが、2000年代に入ってニューライトの勢力が、「光復節」に代えて1948年8月15日、李承晩による大韓民国政府樹立を「建国節」として祝うべきだと主張し始めた問題である。韓国における大きな左右対立主題の一つで、これからの教科書国定化問題にも登場することになるだろう。


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