松林寺 大邱・八公山(パルコンサン)にある名刹

2015年12月19日土曜日

放學その2

メモ代わりに、今年受けた授業と先生について。


1学期。

이수환先生 「한국의 문화재」(韓国の文化財) 書院の専門家。李朝時代の風習や階級制度など。一番聞き取りにくかった。出席して、話を聞くだけ。宴会は一度。

김기호先生  「한국의 언어와 문화」(韓国の言語と文化) テキストは、전소영  「한국어와 한국문화」 (韓国語と韓国文化)。日本語が例に出ると、ことごとくトンチンカンなテキストであった。学生があらかじめ割り当てられた章を要約し解説するという発表形式。

6. 욕설의 양상(様相)           발표자 : 묘엔이치로   2015.4.28
 1) 욕설의 본질(本質)
욕설( : 悪口、ののしり、罵詈雑言、悪態 (일본어)
상대의 인격을 무시하고 그를 미워하고 저주하는 뜻이 담긴 모욕적인 말.
욕어(辱語)  욕언(辱言)   욕어는 처음부터 욕으로 만들어진 말은 없다. 대화 현장에서 어떤 말이든지 상대가 누구냐에 따라, 당시의 분위기가 어떠냐에 따라 욕설로 변질될 수 있다.

このようなレジュメを作って各自で発表する。小生の担当は「悪口の本質」で、日本語と比較しながら悪戦苦闘してレジュメを作った。キム・ギホ先生はサヤカの子孫、賜姓金海金氏だが、その話はあまりしなかった。サヤカのことは「ハラボジ」と呼んでいた。宴会は1回。

최동주先生 「한국학 특수분야연구」(韓国学特殊分野研究) テキストは、최윤선 「비판적담화분석」(批判的談話分析)。フランス帰りの女性言語学者の本で、フランス構造主義の用語が頻出するので歯が立たないかもしれないと警戒したが、辞書をひけばあまり難しくはない。広告や政治家の発言を素材に、社会的な発言や言語の特質・傾向を分析する内容。これは輪読し、ところどころ先生が解説する。語学堂で教えてもらったイ・スヒョン先生、ソ・ウナ先生と一緒。いきなり宛てられて1~2ページ読まされるのは辛かった。최동주先生とは授業の代わりに山登りをしたり、宴会も数度。嶺南大学には珍しいソウル大卒の先生だが、気楽なおっさんであった。

박승희先生 「인문기획과스토리텔링」(人文計画とストーリーテリング) 学部の補充授業で週に2回。先述した「防川市場ガイドブック」を提出した。韓国社会では、何かというと「ストーリーテリング」がどうのこうのと議論する。人文系の流行の概念らしく、今や各地の大学に「ストーリーテリング学科」なるものができている。박승희先生はちょっとスカシたお洒落系の人で、時々テレビなどにも呼ばれて街づくりやら文化やらを論じている。日本の話題などにも詳しい。




これは2015年11月28日に嶺南大学で開かれた「韓国日本思想史学会」秋季学術大会の様子。





2学期。

김재원(金在元)先生 「한국학현지조사」(韓国学現地調査) 金先生は、唯一、嶺南大学の先生ではなく、「嶺南仏教文化研究院」の院長。年齢は70歳前後? 月に一度、第3日曜日が踏査会なので、毎回参加した。
専門は中世史だが、古代史から現代史までなんでもござれの人。授業の内容は新羅・高麗時代の鐘の形式やら壁画遺跡の話やら、パワーポイントで作った写真や図表でわかりやすい。日本に対しても偏見がなく、気持ちのいいお爺さんであった。

죄재묵(崔在穆)先生 「동아시아신유가지성사」(東アジア儒家知性史) 小生の指導教授。筑波大学で博士号を取り、母校の嶺南大学の哲学科教授に。専門は陽明学。中央図書館長、独島研究所長、などなど多忙の人で、「韓国日本思想史学会」の会長も。
授業の内容は儒教ではなく、中国・日本・韓国の禅仏教の展開に関わった歴史的人物の紹介。来年日韓で同時出版を準備しているテキストのゲラをコピーして6~7人で読む。日中韓英語、全部必要だから、原典までちゃんと読もうと思ったらとても時間が足りない。禅思想史の概略みたいな内容で、西田幾多郎や和辻哲郎のような京都学派ぐらいならともかく、見たことも聞いたこともないような日本人名がどんどん出てきて驚く。養鸕徹定(うがいてつじょう)、 忽滑谷 快天(ぬかりやかいてん)なんていう人物を初めて知った。
東アジア仏教史の名僧や思想家たちの教義や思想が手際よく整理されているが、本当にこれだけの膨大な書籍を先生は読んだのだろうか?

話は違うが、鈴木大拙、久松真一、和辻哲郎などの日本人の名前は韓国人には発音が非常に難しい。サシスセソ、ザジズゼゾ、タチツテト、ダジヅデドが入り混じるとお手上げなのである。
動物の「象」もうまく言えない。「ジョウ」になってしまうのだ。

이창언先生 「한국생활사연구」(韓国学生活史研究) 放學その1に書いたので省略。

정시열(鄭時烈)先生 「한국한문학의이해」(韓国漢文学理解) 学部の補充授業で週に2回。この授業が一番難しかった。テキストは李鐘建・李福揆「韓國漢文學槪論」で、この内容はだいたい理解できる(とはいえ、韻律やら詩文の形式やらは難解)のだが、わからないのは鄭先生のおしゃべりだ。冗談と雑談のマシンガントークで、板書はほとんどなし。学生たちは笑い続けるが、小生のみ理解不能という3ケ月が続いた。日によって異なるが1時間15分のうちの20%~60%くらいしかわからない。だんだん耳に慣れてきて理解度が増すかなと期待していたが、最後までトークはわからなかった。鄭先生をよく知るK君(日本語が上手な国語国文科の学生で、来春からは慶北大学大学院で漢文学を学ぶ)によれば、難解な漢文学を学生に親しんでもらうために、わかりやすい喩えやジョークを使って飽きないようにしているのだという。頭の痛い授業だった。

김상섭先生 「연구윤리」(研究倫理) インターネット授業。毎週アクセスして30分ほど聞き流せばそれで良いという授業。

황지연(黄芝燕)先生 「中国語初級」を月火水金の18時~18時50分、語学堂の入る建物の地下一階で習った。月曜日は大学院の講義があるので、火水金だけ。結果的に有効に時間を過ごせて良かったのだが、小生の頭脳には覚えた中国語を貯蔵しておく場所がなく、今日習った単語を明日忘れるという繰り返しだった。

2015年 放學その1

2015年12月19日(土)

2学期も終了し、放學(パンハク、冬休みや夏休みのこと)となったので、まだ書いていなかったことをあれこれ。



これは 이창언 先生(文化人類学)の「한국생활사연구」(韓国生活史研究)で発表をしているところ。主に近現代の韓国人の日記・文集などを元に各時代、各地域の人々の生活史、生活様式などを学ぶ。約10人の学生は、それぞれ関心のある人物や地域の日記をもとにそれを発表した。外国人3人は、自分の国の人物の生活を発表せよ、とのことだったので、小生は日本人の、ベトナム人のN君とTさんはベトナム人の生活史を発表した。


小生の発表は、永井荷風の「罹災日録」から日本人の生活を話した。「断腸亭日乗」の中から、1945年の1年間だけを「罹災日録」という書名で 1947年に刊行したものである。


이창언 先生はとても厳しい先生との噂だったが、大学院、特に韓国学科の授業は(年上の学生も多いので)人が変わったように丁寧だとも聞いていた。言葉も明快でわかりやすく、発表も気に入ってもらえたようで、私たち(韓国学科、哲学科、文化人類学科、読書作文科の学生たち。若いベトナムの2人を除くと、平均年齢は50歳くらい?)には、とても感じのいい人だった。12月7日の最後の授業のあと、われわれを近所の食堂に招いてご馳走してくれた。
ちなみに、読書作文科というのは聞きなれない学科名だが、大学院に昨年から開講されたらしく、40代の女性2人がそこの博士課程に所属していて、一緒に授業を受けた。


ピンボケだが、バスの中のWIFI


地下鉄の中のWIFI。左がKT、右がSKテレコム。




大邱の繁華街、東城路のスナップ。ようやく厳しい寒さが少し始まった。特に風が吹くとこたえるのである。


これは学生食堂の定食。2500ウォン。トンカツ、トッポキ、キムチ、卵スープ。

              

一番通った(といっても週に1度か2度だが)、「善香斎」(ソンヒョンチェ)の昼の定食。5000ウォン。同じトンカツ定食でも、これだけ違う。毎日工夫されたメニューが出る。本来は教職員専用食堂なのだが、昼時は学生たちで満員になる。


これは Steven Dana に案内してもらった七星市場(チルソンシジャン)の海鮮専門店での刺身盛り合わせ。2人前、2万ウォン。大邱にしてはまずまずで、赤身の魚やイカ、タコも入っている。 


同じく七星市場で、昼飯をハシゴ。これは豚肉を炭火(練炭)で焼いた定食。確か、1人前5000か6000ウォン。Stevenは嶺南大学視覚デザイン学科で絵を教えているニューヨーカー。週末には防川市場で「Chiliboy」というテイクアウトの店(チリ、プリトー、サンドウィッチ)を趣味半分で開いている。金曜日に七星市場へ食材を買い出しに来て、金曜の夜にチリを仕込み、土日に店を開くという生活を今年の春から続けてきた。七星市場では、どこへいっても人気者である。

彼は妻がNYで知り合った韓国人のアーティスト。なぜか人生がよじれて、妻はNYに残り、Stevenは大邱に来て教師とレストランをやっている。韓国語はカタコトなので、もっぱら英語で話した。今年英語を話した相手はStevenだけだろう。


これは隣にいるSさん(日本人、22歳くらい)がfacebookに乗せていたスナップから。彼女はH学園大学を休学して語学留学中。手前は去年語学堂で一緒だったH君とSさん。共に中国人で、H君は視覚デザイン科、Sさんは経営学科の学生。この日は防川市場で鶏を食べ(Chiken Daddy)、H君の車(Avante)で慶山まで帰ってきた。

2015年12月10日木曜日

六臣祠(ユクシンサ)

2015年12月10日(木)




すっかり冬になり、霧がたちこめる朝もある。

大学院の授業は12月7日(月)で終わったが、まだ学部の補充授業と試験が残っている。
今日は一日雨だったが、Yさんに誘われて達城郡河浜面にある「六臣祠」に行ってきた。
六臣祠は、5月26日、初夏の暑さの中、訪ねたことがあった。
その時には、以下のように書いている。


死六臣(しろくしん)は、李氏朝鮮時代前期、世祖によって王位を追われた端宗の復位を図って鞭打ちの拷問の後、凌遅刑(牛裂きの刑)で処刑され、後年忠臣として顕彰された6人の政治家。
である。のちに朝鮮王朝で士林派が台頭し、名分論に基づいて世祖の権力掌握が簒奪と見なされるようになると、これに抗して忠義に殉じた臣下たちが顕彰されるようになり、端宗復位事件で処刑されたうちの主要な6人が「死六臣」として讃えられるようになった。
かれらは忠節を尽くして非命に倒れた悲劇の主人公として人気が高く、現代でもテレビの時代劇ドラマの題材となる。(Wikipediaより)

この土地に死六臣の面々は、それほど関係ないようなのだが、「忠臣蔵」のように有名な話であり、全国にこのような顕彰碑やら施設・建物があるらしい。
朴彭年という人物と、この地方の朴氏と、朴正煕大統領と、何か関係があるらしいのだが、小生の知識と語学力では未だわからず。






半年ぶりに、その疑問が解けたので、書いておくことにする。

朴彭年が処刑された際、父親、4兄弟、息子3兄弟も皆処刑された。母親、妻、弟嫁、嫁は皆奴婢となる。2番目の息子の妻は実家に近い大邱にいて妊娠中だった。男が生れれば処刑、女が生れれば奴婢となるはずだった。
生れたのは男の子だったが、同じころに女の召使が女の子を生んだ。密かに子供を取り換えて育てたので、男の子は助かり、外祖父の手で「朴婢」として育てられた。
やがて朴婢は上京し、成宗から赦免されて戻り、跡継ぎのない母の実家の財産を相続してこの村(ミョルゴル)に定着した。
彼が死六臣の6家門の中で、唯一家系を継いだ朴彭年の孫、朴一珊である。

その子孫たちが節義廟という祠堂を建て、祖父を尊び祭祀を続けていると、曾孫の継昌の夢の中で6人の先生がうろうろしていた。これを機に他の5人の祭祀も共に行うことにしたのだという。






現在の「六臣祠」は、朴正煕大統領時代に「忠孝偉人遺跡整備事業」で補修・新築され、大邱市の文化遺跡ともなった。約30戸の子孫たちがこの村で暮らしている。朴正煕も、同じ順川朴氏が本貫なのだという。

2015年12月9日水曜日

内部者たち


映画「内部者たち」を、観た。以下、ネット記事からの引用。

「予告映像で登場する暴力組織、検察、マスコミ、政治、財閥の闇の取引を通じて、巨大な構図を予感させる。復讐を夢見るアン・サング、成功を取引する検事ウ・ジャンフン(チョ・スンウ)、政治界の構図を設計するベテランの新聞社顧問イ・ガンヒ(ペク・ユンシク)の3人と、彼らに力を貸す人物まで、想像もしなかった彼らの対決に、どんな結末が待っているのか、期待感を刺激する。

「内部者たち」は、社会の深層まで根付いた韓国社会の腐敗と不祥事を、内部者たちを通じて鋭く暴き出す犯罪ドラマだ。ユン・テホ漫画家の同名のウェブ漫画の安定したストーリーとともに、イ・ビョンホン、チョ・スンウ、ペク・ユンシク、イ・ギョンヨン、キム・ホンパ、ペ・ソンウ、チョ・ジェユン、キム・デミョンなど、韓国映画界を代表する俳優たちが出演して、最高の没入度を誇ると予想される。」



11月中旬に公開され、観客数ナンバー・ワンと話題の映画で、Kさんも絶賛していたので期待してキョンサンのロッテシネマへ。
結論から言うと、イ・ビョンホンだけが良い。
社会派映画としては、政界、マスコミ、検察、裏社会の人物たちの複雑さや凄味が物足りない。
小生の韓国語能力のせいもあるのかもしれないけれど。
マンガが原作だから、キャラクターを単純化しすぎているのではないか。それぞれの登場人物たちが住む社会があまり描けていない、。チョ・スンウ演じる検察の世界が、ややそれらしく描かれている。
元民主化運動の闘士にして「祖国日報」の論説委員、マスコミの黒幕を演じるペク・ユンシクや、大統領候補の政治家イ・ギョンヨンなどが少しうすっぺらなのである。
来年3月日本公開予定。

2015年12月7日月曜日

2週連続、man of the match

2015年11月28日、トヨタ自動車vs豊田自動織機、名古屋瑞穂ラグビー場

トヨタ自動車、安藤泰洋、2週連続マン・オブ・ザ・マッチ





2015年12月3日木曜日

情熱みたいなこと言ってるね(映画)

2015年12月3日(木)

東城路の「CGV대구한일」で、11月25日公開の映画「 열정같은소리하고있네 」(情熱みたいなこと言ってるね、英題は You Call It Passion )を観る。9000ウォン。






時間つぶしに適当に映画館に入ったのだが、まずまずの面白さ。小品のコメディなので日本公開はないような気がする。

スポーツ新聞社の新米芸能記者(パク・ボヨン)が、怒鳴りまくりキレまくる鬼のような部長(チョン・ジェヨン)のもとで悪戦苦闘、そして大スキャンダルをスクープして逆転のハッピーエンド、というわかりやすいストーリー。
鬼部長と海千山千の編集局長(オ・ダルス)が怒鳴り合い、実は仲良し屋台で一杯、心優しい同期のカメラマンとの淡い恋、部長と対立して憤然と辞職する先輩記者、悪辣な芸能プロ女社長の凄味と存在感、等々、とにかく俳優たちがそれぞれの役にぴたりとはまっている。
監督はチョン・ギフン。40歳と若い監督だが、スピード感のあるウェルメイド・コメディだった。