松林寺 大邱・八公山(パルコンサン)にある名刹

2015年4月5日日曜日

道東書院

2015年3月31日(火) 霧

11時、頭流駅前でKさんの車にCさんと乗りこみ約30分、達城郡求智面にある道東書院を訪ねる。
朝鮮五賢(金宏弼、趙光祖、鄭汝昌、李彦迪、李滉)の一人である儒学者・金宏弼(김굉필 キム・キンピル)を祀る書院で、1568年に創建された。





この日は春の祭事で、韓国学科のSさんが祭官を務めているのを見学に来たのである。授業は先生に頼んで休講にしてもらった。
全国から集まった祭官たちは儒服に着替えて2日がかりの祭事に臨む。今日は泊まり込みだ。まず各自の役割を確認し、墨で名前を書いているところ。Sさんは「賛者」という下っ端のほうの役職で、祭事にこのように加えてもらえるようになって3年目だという。




この日の深夜というか翌日明け方の儀式のために捧げられる豚。牲檀(せいだん)に縛り付けられている丸々と太った豚を囲んで、何やら祈りを捧げる。
講堂に戻って祭官たちが次の行事を進める中、撲殺される豚の悲鳴がえんえんと続く。あんなにストレスを与えながら殺すと肉の味が悪くなるのではないかと思った。
Sさんは翌日帰宅後、分けられ持ち帰ったこの豚を食べるのが楽しみなんだという。


講堂である中正堂の後ろ、一段高く奥まった場所にある祠宇(サウ)の中に金宏弼とその後継者である鄭逑(정구 チョン・グ)の位牌が置かれている。



深更の儀式はここで行われる。私たちが見学したのは祭事冒頭の数時間。
昼食を一緒にご馳走になり、なごやかな雰囲気の中で、祭官の人たちから色々話を聞いたのだが、さすがにそのディテールは、小生の語学力や知識ではほとんど理解できなかった。
皆、この道東書院を守り支えていることに喜びを感じていることや、この書院が洛東江を望む素晴らしい環境にあり、建物の保存や管理も行き届いていること、細部の装飾などに独自の文化的価値があることなどは分かった。祭官の一番偉い人たちは80代で、日本語が話せる人もいた。「今の私の話、わかりますか?」と急に日本語で聞かれて、ムニャムニャ…。


帰り際、さっきの豚はきれいに毛をむしり二枚におろされ(?)、静かに横たわっていた。
夕方、相変わらずの霧の中、見学のわれわれ3人は大邱市内へと戻る。祭官のSさんはテンション高かったが、Kさん、Cさんは「あー、疲れた」といった感じ。

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